平成 16 年度から,日本の大学においては機関別認証評価受審が 7 年以内ごとに義務化された.また,同時期に法人化された国立大学は,国立大学法人評価を 6 年ごとに受審しなければならなくなった.それから 10 年が経ち,それぞれの評価でも 2 巡目が終わろうとしており,これらの評価を踏まえた教育機関の改善の方法も次第に明確になりつつある.特に,教育の内部質保証の確立には,昨今注目されている IR を導入することが不可欠である.当初 IR は,教学改善のツールとして注目されたが,研究戦略や業務運営のツールとしても注目されている.本稿の著者らは,大学評価の立場から九州大学の IR 活動を推進している.実務的な見地から,教育研究活動への IR に焦点を絞り,大学評価を軸とした IR 活動の一例を紹介する.