プラズマ材料プロセス分野で多用される0.1-100 Pa 程度の放電圧力で生成した低電子温度(~1-10 eV)の非平衡アルゴンプラズマを対象に,プラズマの原子発光スペクトルの分光計測からプラズマパラメータ(電子密度,電子エネルギー分布関数など)を導出する手法につき,プラズマ中の励起状態生成消滅を素過程レベルで記述した「衝突輻射モデル」を用いた方法の基礎と応用例を述べる.衝突輻射モデルそのものの説明,衝突輻射モデルに基づく発光スペクトル(励起粒子密度比)のモデリング,発光スペクトルの実計測結果からプラズマパラメータを解析する手法,解析結果の誤差を評価し最適化する手法に関して,最近の研究成果を解説する.