詳細で正確な氾濫情報を求められる中で,河川堤防の情報を正確に得ることは重要である.しかし,特に中小河川において,管轄する自治体の河川の維持管理費の不足などから,堤防の高さや位置に関するデータは十分ではない.さらに,河川管理者が認識していない古い堤防や支流における堤防が存在している可能性もある.Sasaki et al. (2023)の提案では高解像度のLiDAR DEMを用いて,一級河川のみで堤防検出を検証しているが,本研究では静岡県静岡市の堤防を自動検出することを試みた.断面が台形の堤防においては,一級河川の本堤のみならず,中小河川の堤防や霞堤,二線堤も検出することができた.一方で,アルゴリズムの定義とは異なる形の堤防が検出できないこと,反対に定義と似た形の構造物を誤検出してしまう点が課題抽出された.